セラミック修復は、歯のかぶせ物の材料に、セラミックを利用した治療です。セラミックの特徴である、白さの永続性、優れた清掃性、歯肉との調和を生かした修復は、専門家でさえ、天然歯との見分けが困難なこともあります。
60才代の女性の患者さんです。前歯に関しては色(もっと白く)と形(整然と)、歯並び(隙間をなくす)に関して不満がありました。奥歯に関しては"ブリッジの部分が清掃しにくいこと"と"金属の色"が不満でした。先ずは全体的な色調の改善をするために漂白をします。ホームホワイトニングといって、自宅で就寝前に1日2時間、2週間でこれだけ白くなります。
全体的に白くした前歯に対して、形と歯並びの改善を兼ねて、歯を一層(約0.5mmほど)削ります。削った後は色あわせをして(専門の歯科技工士に写真で伝える)、右上にあるように薄い貝殻状のセラミックを作ります。これを丁寧に歯に接着材で貼り付けます。この方法(ラミネートベニアと言います)は①歯を削る量が最小である、②かみ合わせを変えない、③金属を使用しないので色調が自然である、④セラミックは歯肉となじみが良い などの利点があります。
術前に比べ、①歯の方向性、②歯と歯の隙間、③歯の切端の位置、④歯と歯の接触部位などが揃いました。術前の診断が重要となってきます。
さしずめ大改造!!劇的ビフォー・アフターです。これも匠の技です。
さて、ブリッジの形と色が気になる奥歯ですが、セラミック修復をすることにより、残った歯の負担軽減と清掃性改善を図ります。また、1本づつの修復が可能となったので金属を使用しない、オールセラミック修復が可能となりました。
金属の色がない自然な修復が完了しました。患者さんは『同窓会では歯の自慢ができた(^^)』と喜んでくれました。
素敵なスマイルで10歳は若返りました!