美しい小樽での研修を終えて
北海道大学歯学部6年 桜井 泰輔
夏も終わりに近づいた9月2日から3日間、私は熊澤歯科に見学に訪れました。熊澤歯科に割り当てが決まったときに思ったことは、「朝どうやって行けばよいのだろう」でした。自宅の円山からは始発のバスに乗っても、指定された朝8時にこの歯科医院に到着することが出来ないのです。結局は3日間北大周辺に住むクラスメイトの家に泊まりこみ、6時36分北18条駅発の地下鉄から、6時53分JR札幌駅発小樽駅普通列車(始発)に乗ることで8時ぎりぎりに到着することが出来ました。
こんなに早い時間に外にいることはふだんほとんどなく、JRで通学した経験も無い私には朝から新鮮な気持ちで一杯でした。電車の窓からは朝日を浴びる日本海が見えます。初日は海に背を向けて据わってしまい首が痛くなったので、2日目からは海が見えるように座りました。電車の床に座り込みテスト勉強をしている女子高生達も見ました。うるさかったですが、これも新鮮な驚きでした。朝の電車の雰囲気を満喫していると、あっという間に小樽駅に到着しました。
外に足を踏み出すと、制服姿の高校生で溢れています。ここから出るバスに乗るのでしょうか。どちらを向いても高校生。これが小樽の朝の風景なのでしょう。まるで観光に来たかのような気持ちになってしまいます。駅に置いてあった小樽の観光パンフレットを片手に、小樽の町並みを眺めながら目的の歯科医院に向かいました。空にはカモメが賑やかに飛んでいます。思わず、“♪ハ〜バ〜ライトが〜朝日〜に変わ〜る〜”とカモメが飛んだ日を口ずさんでしまいます。
到着してすぐに先生やスタッフの方々に挨拶して回り、いよいよ見学が始まります。最初にビルの7階にある診療室を見せていただきました。ユニットや手術室や待合室を見て周り、ふと外を見るとなんと美しい景色でしょうか。山側には斜面に沿って家々が広がり、駅前の大きなデパートやパチンコ屋と古い家屋が混在するアンバランスさが不思議です。海側には石造りの倉庫が並び、その向こうには海が広がっていて、何艘かの船が浮かんでいます。この後も3日間度々外を見ていたわたしに衛生士の方に「先生はいつも外を見ていますね」と言われてしまいました。サボっていたわけではなく、診療室からの眺めが綺麗過ぎるせいです。
しかし、観光気分で過ごしていたわけではいけません。診療前の朝礼でスタッフ全員の前で自己紹介をすると暖かい雰囲気で迎え入れてくれました。気持ちを切り替えてしっかり見学しようと心に誓ったものです。それからの3日間の見学では色々な診療を見せていただきました。どの治療も衛生士さんをはじめ、スタッフの方々との乱れの無い連携でテキパキと、しかし丁寧に行っていく姿にとても好感をもちました。患者さんたちもこの歯科医院を大いに信頼されている様子で治療を受け、少しの雑談をし、笑顔で帰っていかれます。医院の雰囲気も柔らかく、予防歯科にも力を入れており、患者さんを大事にし、患者さんに愛されている歯科医院なのだと感じました。又、先生からは歯科医師としての心構えについて説いていただき、向上心を持ち、常に勉強し知識を増やしていく努力を怠ってはいけないと強く感じました。
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